冥界へはこちらからどうぞ

たんぽぽ

プロローグ

「今田さんですね、おはようございます。今日はどうされましたか?」

「……交通事故で死んでしまいました」

「ご冥福をお祈りいたします。Bフロアにお住まいを用意しております。それでは行ってらっしゃいませ」


 ここは生者の世界と死者の世界を隔てる境界、エノシュアター。生者を死者から守る要塞の役割をしている。空港の保安検査場に近いかもしれない。

 死を迎えた者はエノシュアターの向こう側で、割り振られたエリアに住むことになる。住むフロアは生前の行いによって決められ、Aフロアが最高級、つまり天国。Cフロアが最下級、つまり地獄である。

 そんなエノシュアターで働く職員がいる。職員は死者の世界の住人から選ばれるが、その採用方法は不明で突然職員に指名されるらしい。


「えーっと、今日からここで働くことになりました、神崎かんざき風斗ふうとです。よろしくお願いします」

「あぁ、君が神崎君か! いくつだ?」

「16歳です」

「そうかそうか、私は神瀬かみせあかね、18歳だ! あかね先輩と呼びなさい!」

 風斗は先輩に威圧されながらもうなずいた。風斗は黒髪、細身、薄めの顔。茜は赤髪、抜群のスタイル、女優のような顔立ち。

 この2人がエノシュアターでたくさんの事件を巻き起こす。

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