クイーン・マリ
飼い猫のマリが怪我をして帰ってきた。
近所の猫と、喧嘩でもしたのだろうか。
元気そうだったが、足に血が滲んでいたので一応医者に連れて行った。
診断の結果はただのかすり傷だったが、舐めないようにとカラーを着けてくれた。
パラボラアンテナみたいになったマリを抱いて帰ると、夫が、
「イギリスの女王様みたいだな」と言った。
なるほど、そういう見方もあるのか。
マリは慣れないものを着けられて不満そうだったが、見方を変えてみると、その不機嫌そうな顔もなんとなく威厳があるように見える。
私は女王陛下のご機嫌をとるために、豪華なディナーを作ってさしあげた。
カリカリの茹でササミ乗せだ。
陛下は食事を平らげると、「苦しゅうない、寵愛をくれてやろう」と擦り寄ってきた。
私は恭しくお辞儀をすると、膝の上に陛下を乗せた。
マリに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます