第71話 ランナル、気に入られる

「そうか!君かね、報告で聞いていた殆ど一人で仕留めたって言うのは、素晴らしいじゃないか!」


何だか子爵様はご機嫌だ。


「まあ、お父様ご機嫌ですね?」


「ああ、街の外の魔物をどうするか、対策をしようにもあの数だったからな!それをローテートに頼ったとはいえ、こうも早く解決してくれるなんてな。」


「ええ、それは凄かったのですよ?私は魔法の方は見なかったのですが・・・・ダンジョンの入り口と、中で放った技で、かなりの数のデーモンがいましたが、ランナルさんは、1人で殆ど仕留めてましたから。」


「おお!そいつは素晴らしい!ああ、そうだ、よかったら装備を見せてくれないかい?」


今は普通の服だったな。


「カバンに入ってる。出すか?」


「出してくれ!」


何だか目がキラキラ輝いてるな、このおじさん。


目の前でLRの装備をどんどん出す。


「これが装備してたのだ。で、こっちが使ってないやつ。」


俺はLR(5)とそれ以外を分けて出す。


「おおお!凄いな!初めてみた!なあ、これもっと手に入らないのかい?一式ほしいなあ?駄目かい?」


「・・・・あんた、カチヤの父親だし、子爵様だから、はいどうぞと言いたいけどな・・・・」


「・・・・手に入るのなら・・・無論、黙っておくと誓おうじゃないか。何かあるんだろう?手に入る何かが?」


「・・・・本当に黙っていられるのか?」


「・・・・君はもうすぐ義理の息子になるんだ。そんな人物に嘘は言わんよ。それに、明らかに不自然だからね。導入したてのLRをこれだけ持ってるのは?一応聞くけど、不正ではないんだよね?」


「・・・・あんた神って知ってるか?」


「もちろん知ってるさ。ガチャの管理はその神がやってるからね。話もした事があるさ。」



「なら話は早い。今回の不具合にも関係してると思っているんだが・・・・何をどうしてとは言えないが、一応神には報告しているんだ。そうしたら、そんな事はない!もしあってもどんどんやりたまえって言っててな。まあ、はっきり言って不正なんだが、神公認でその不正を一年限定でやってもいいらしくてな。なのでこっそりやっている。」


「なんと!と言う事は何かシステムの欠陥があって、未だにそれが改善されていないという事なんだね!素晴らしい!では・・・・それは今すぐできるのかい?」


「いや、ギルドの・・・・換金ボックスに行かないとできないし、手持ちに素材が無いとできないな。今は・・・・槍がある。あ、まだ装備一式・・・・できるな。」


「よし、じゃあ今からギルドに向かおう!カチヤ、確か個室にも換金ボックスはあったね?」


「ええ、ありますわ。で、その装備をどうするのですか?」


「我が子爵家の家宝にする。それと・・・・もし複数の装備が手に入るなら、わしが装備したいな。それと嫡男には装備させたいな。」


「・・・・わかった。何とかしよう。」


「ああ、それが実現したらね、君を男爵に推挙しようじゃないか。」

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