子爵の別邸

第67話 子爵の別邸にて

「お帰りなさいませ、カチヤさま。」


子爵の館・・・別邸?に到着した俺らだが・・・・


初老の男性が、カチヤさんにそう言った。


うん?お帰りなさいって言った?


「ただいま。ギルド長から連絡来てると思うけど、風呂と部屋は用意できてるかしら?」


「無論でございます。クランの、別パーティ様9部屋各2人ずつと仰せつかっております。そして、カチヤさまのパーティ様は一応個室で3部屋確保いたしました。さらには大部屋もおひとつご用意できておりますが。」


「・・・・大部屋でお願いね。それと・・・・お風呂はどうかしら?」


「男女別と、家族向けのをご用意いたしております。」


「では、親方さん方はパートナーの職員の女性と共に部屋に案内した後に、男女別でお風呂を案内して差し上げて?入浴が済み次第、食事にいたします。」


「畏まりまして。各部屋にメイドを配置いたしますか?」


「足りますか?」


「本館へ応援を要請いたしております。既に待機済みでございます。」


「流石ね。では・・・・メイドを呼んで頂戴。」


「少々お待ち下さいまし、お嬢様。」


待機していたメイドさんが消え・・・・その後に沢山のメイドが現れる。


「各部屋に一人ずつ配置する。この街を救って下さった英雄様だ。くれぐれも失礼のないように。それと、出自はNハンターだそうなので、こちらの常識は通じないと思え。今まで貴族とは無縁だったようだから。極力ご要望にはお答えするように。どうしてもわからない、対応が無理なら、メイド長か私に連絡するように。」


「「「「「「「「「「畏まりました。」」」」」」」」」」


・・・・一体どうなってるんだ?ついていけない・・・・


メイドのうちの一人が、執事さんに質問をしている。


「あの、一つ確認したい事がございます。」



「なんだね?」


「男性の方は・・・・ギルドの職員の方をお連れしており・・・・まだ知り合ったばかりと伺っておりますが・・・・もし万が一、わたくし共にまで手を出してきた場合、どのようにしたら宜しいのかと思いまして・・・・」


「・・・・間違っても抵抗はするな。断っても構わないが、そう言った事を求められた場合・・・・私の見立てでは、将来性があるゆえ、其方らに想い人がいないなら、受け入れたほうがいいというのが私の考えだ。無論、其方らの考えは尊重する・・・・が、これはまたとない機会である事を頭の中に入れておくように。」


「では・・・・宜しいのですね?求めても?」


「うぬ。構わぬ。」


何か分からんが、それを聞いたメイドさん方の表情が・・・・輝きだしたぞ?


「なあ・・・どういう事なんだ?」


「ええとですね・・・・つまり・・・・親方様達は・・・・ギルド嬢と共に、メイドを嫁に出来ると言う事ですよ?」


「ええ?マジか?」


俺は驚く・・・親方達の表情は緩む・・・・


意外に思ったのは・・・・親方達に付き従っているギルド嬢たちは・・・・メイドさんを受け入れているようなのだ。


「よかったね!チャンスだよ?」


「運が良かったね?」


「私もいいのでしょうか・・・・?」


俺らの生きている世界では・・・・男が複数の女を囲うのは、当たり前なのだ。だが、それを実行するのには、かなりの資金がいる。

そして・・・・その資金がある男は、当然のように複数の女性を妻に迎えなければならない。


そして・・・・それが今、親方達に順番が回ってきているのだ。


何故か親方達は俺に礼をしていく。


「お前のおかげだ、ランナル!」


親方達は両手に女の状態で、各部屋に消えていった・・・・


「よかったですね。では、お部屋に案内しますね。色々あると思いますが、先ずはお部屋、そしてお風呂でお話をしますからね。」


俺は考えるのをやめ、ヘインチェちゃんとエリーザベトさんと共に、カチヤの後に着いて行った・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る