第62話 知恵のある魔物との戦い

俺はデーモンと会話をせず、クロスボウで狙いを定める。


矢を放とうとした瞬間、デーモンは左手に掴んだ何かを突き出す。


「うぐう・・・・」


!?え?冒険者?


矢を放てば当たる?


【外へ出れば解放。吾輩愉快。】


冒険者を引きずりながら歩いてくるデーモン。


俺はクロスボウを仕舞い、ショートソードに持ち替える。


どうする?この際冒険者は無視するか?


あれが外に出れば、かなりの犠牲者が出るのじゃないか?


そう思っていたが、エリーザベトさんがこちらに気が付き、デーモンに襲い掛かる。


【理解不能。吾輩不愉快。死ぬがいい。】


デーモンが左手に力を込める。が、エリーザベトさんがデーモンに切りつける。デーモンは左手をエリーザベトさんにかざす。


一瞬デーモンがこちらに隙を見せたので、一気に接近し、切りつける。


胴体が真っ二つ。



こちらを見るデーモン。



そしてエリーザベトさんが左手を切断する。


「うぐ・・・」


まだ冒険者は息があるようだ。


そして俺はデーモンの首を刎ねる。


喋る魔物とか、厄介だな・・・・


「おいあんたしっかりしろ!」


「がはっぐげっつ!」


「ヘインチェちゃん回復魔法を!」


「わかりました!では・・・・」


その間にもエリーザベトさんが警戒してくれている。


そしてカチヤさんがドロップアイテムを確保してくれる。


「色々ありました。預かっておきますね。」


「ああ、後で分配しよう。それより、先に行った連中は大丈夫なのか?このハンター、デーモンに連れ去られたが、誰も追いかけてこないのはおかしい。」


普通仲間が助けにやってきそうなもんだが・・・・俺の勘違いか?


「うぐ・・・・・うう・・・・た・・・・助かったのか?」


ハンターが何とか喋れるように。


「よかった・・・・そんなに強力な回復魔法じゃないですから、ちょっと心配してたんですよ?」


「す・・・すまない・・・・」


俺はハンターに近づき、質問をする。


「他の連中はどうしたんだ?」


「わからん・・・デーモンの集団に襲われて、皆それどころじゃなかったはずだ。俺はよく分からんうちに頭を掴まれ、連れ去られたんだ。」


じゃあまだ戦ってるのか?


「どうする?様子を見に行くか?」


「行く以外の選択肢はあるまい。」


エリーザベトさんが言いきる。


「なあ、デーモンってそんなに強いのか?」


「ああ・・・・魔物としては、上から数えたほうが早いな・・・・」


「うげ・・・・」


「君の場合、その装備が無ければ全く歯が立たんぞ?」


そもそもこんな装備が無ければ、こんな所にこんな状況で来ないぞ?

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