大型アップデート?

第16話 エリーザベトさんと会う

翌日・・・・どうやら彼女も手持ち無沙汰だったらしく・・・・俺がかなり早く・・・というか、約束時間とは全く関係ない時間に一度ギルドに向かったのだが、もう既にいた。


何せ今日はダンジョンに入れないからだ。


「あれ?もう来てたのか、エリーザベトさん?」


「ひゃい!」


俺が来ると思ってなかったのか、変な声を出すエリーザベトさん。


普段凛とした姿とは到底思えない可愛らしい声だ。

それに慌てたような表情!グッジョブだぜ!何に?そんなのどうでもいいじゃないか!


「ラ・・・ランナル・・・・き・・君!早いじゃないか!約束の時間は随分後だぞ?」


「えっと、ギルドに確認したい事があったからちょっと寄ったんだが?エリーザベトさんは?」


「わ・私か?そ・・・・それは・・・・そう!私も用事があってここに来たんだ!」


・・・・何で慌ててるんだ?


「じゃあお先にどうぞ?」


「いや、もう終った・・・ぞ?君も早く済ませてくればいいじゃないか?」


「そう?まあいいや・・・・じゃあ後でな・・・・」


「あ・・・もしよかったら、もう面倒だし、君の用事が終わったらにしないか?」


「え?デートの話か?」


「で・・・でででデートだと!」


「そんなに狼狽えんでも・・・・ああいいぜ!どっか食事でもしながら話そうか?それとも宿でしっぽりがいい?」


「宿でしっぽりとは?まあもうすぐ昼だ。食事でもしながらでいいだろう。」


そんなに顔真っ赤にせんでも・・・・もう気が付いてると思うが、彼女は色々抜けている所があるらしい。なので、一寸からかうと面白い。


まあいい。先に用事を済まそう。


で、待ってましたと言わんばかりのヘインチェちゃんが待ち構える。

俺は敢えて別の所へ行こうとするが・・・・


「ちょっと今、目が合いましたよね、ランナルさん、どうして別の所へ行こうとするんですか・・・・?私泣いちゃいますよ?」


「・・・・すまんすまん、一寸出来心だ。なあ、この大型アップデートとか言うのは何だ?」


「あ、その事ですか?実は・・・・SSRの上にLR(レジェンドレア)というランクがβ仕様であったのですけど、いよいよ本日、正式になるんですよ!」


「なんだそのLRっつうのは?」


「知りませんでしたか?」


「ああ全く。」


「現状SSRフル装備で、ダンジョンを一人で攻略するのは至難の業なんですよ?ですが、ユーザの方は一人で攻略したいという欲求がありまして、そこで遂に解禁するわけですよ!」


「で、どうなんの?」


「SSRの2倍ですね・・・・」


「何!2倍だと・・・??」


現状SSRの最高は160だ。その倍・・・・320!


「ですが・・・・ものすごい高価になっちゃいますよ?白金貨1000枚(十億円)です・・・・買えば。」


「だが貴族様や王族なら買えるだろ?」


「ええ・・・ですが・・・・実は、このLRは神様自ら装備品を作ってるらしく・・・・一応一通り作ったらしいのですが、8つの部門の最高品質は未だ出そろっていないんです。それを2月かけて揃えるらしいんですよ!」


・・・・つまり最高装備にするには2か月かかると言う事か。


「それは剛毅な話だな。まあ俺達には関係ないが。」


「いいんですかそんな事言ってて。」


「何でだ?」


「高ランクのハンターの噂の的ですよ?ランナルさんは。」


「え?何で?」


「だって・・・・月シリーズフル装備じゃないですか!」


・・・・わかる奴にはわかると言う事か?


「この後時間あります?私もう今日はお休みなので、よかったら色々・・・・」


「今からエリーザベトさんと食事だ。」


「ええ?お二人はもうそんな仲だったんですか?」


「ちがうぞ!聞きたい事があったから、じゃあ昼だし食事でもってのが真実だ。」


「じゃあ!私も同席いいですか?」


「エリーザベトさんに聞いてくれ・・・・」

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