モノローグ
× × ×
十年前のある日、ひまりと初めて喧嘩した。
なぜかわからないけれど、ひまりはすごく怒っていて、
おれは仲直りしたくて赤い石を贈ろうと思ったんだ。
両思いになれる赤い石——。
学校で流行っている恋のまじない。
家の近くの河原で赤い石を見つけて、
それを想い人に贈れば結ばれるというジンクス。
おれは毎日、河原に通って石を探した。
一〇年後も二〇年後もひまりとずっと一緒にいられますように。
いつの日か、あの約束が叶うときがきますように。
また、ひまりの笑顔が見れますように。
少し欲張りなくらいに願いを込めて、
おれは赤い石の首飾りを作った。
——でも、ひまりはもういなかった。
少ししてから、ひまりが遠くへ引っ越したことを知った。
なにも言わず、おれの前から消えた。
最後に交わした言葉はなんだったか。
たしか、「いつきなんて大嫌い」だったような気がする——。
× × ×
<あとがき>
序章はここまで、次回から本編に入ります!
一層賑やかになる本作、今後ともお付き合いの程よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます