コイツが運命の相手なわけがない〜リア充後輩女子に運命の相手認定されてから幼馴染が可愛いんですが〜

更科 転

GW編

序章 運命の出会いなわけがない

プロローグ


 大きくなったら結婚しようね——。


 十年前の記憶。

 それを今でもふとしたときに思い出す。


 それはもう叶わないはずの約束なのに。


 あの日から何度も忘れようとして、それでもまた何度も何度も思い出してしまうのは俺がこんなものにいつまでも意味を持たせてしまっているからだ。


 だからその度に自分を戒める必要がある。

 所詮はガキの頃の約束。そんな小さい頃のことなんて覚えていても仕方がないのだと。


 それにアイツはもう変わってしまったのだ。

 あのときの“ひまり”はもうどこにもいない。


 ——アイツは俺の敵だ。


 だから、碓氷うすい いつき水篠みずしの 陽葵ひまりが結婚する未来なんてあるはずがない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る