願い

葉月 涼

届いて

久しぶりに聞いた彼の声

それは僕を包み優しく心を解いてくれた


僕は死が怖くて怖くて仕方がなかった

それこそ恐怖から来る

震えや絶望感でまともに生活もできないほどだった

だけど

そんな恐怖を優しく解いてくれた


初めは怖がっていて感情を言葉にして伝えるのがやっとだった

だけど彼の声を聴くうちに恐怖は段々おさまり関係の無い話をすることが出来た


だけど電話が終わり寝ようとしても暗闇が怖くて…いや

『1人でいる』

ということが怖くて

忘れ去っていた恐怖が心を揺さぶった



昔ならば考えもしなかった恐怖

少し前なら心から望んだ恐怖

夢を語る今なら全く望まない恐怖







どうか、終わらずに続いて

どうか、仲間たちに未来を

どうか、無の静寂ではなく明るき明日を

どうか、また友達や仲間や家族で笑い合える明日を

どうかお願い

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願い 葉月 涼 @kiminokoe

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