迷宮王【ダンジョンシード】

鮫紙 大使

第1話

「僕は迷宮ダンジョンが嫌いだ」

六年前に世界で迷宮ダンジョンと呼ばれる洞窟が世界に突然現れた。

人々は迷宮ダンジョンに興奮し熱狂しながら迷宮ダンジョンに潜った。

二年もの間、迷宮ダンジョンは珍しい宝石や鉱石、魔物や魔獣の素材を人々は集め武器や防具を作り迷宮ダンジョンを攻略していた。

迷宮ダンジョンにはスキルと呼ばれる魔法を覚えられる巻物を求め人々は迷宮ダンジョンに命を賭けて潜った。

世界は迷宮ダンジョンに規制をつけてランク制度を設けた。

世界の人々はランクを上げるために毎日のように迷宮ダンジョンに潜り素材を集め武器や防具を身につけてスキルを求めながらランクを上げていた。

しかし、三年前に突然世界に八つの禍々しい迷宮ダンジョンが現れた。

「すげえお宝がありそうだな」

「今回も楽勝だよ」

そう言って何人もの人々がその迷宮ダンジョンに潜った。

しかし、その迷宮ダンジョンに潜った人々は誰一人と地上に戻らなかった。

そして、世界は現在ランクが準2級以上の迷宮ダンジョン攻略者を集めて八つの迷宮ダンジョンに潜った。

その迷宮ダンジョンのボス部屋の前にはとても強い邪気が漂っていた。

「行くぞ!」

扉を開けると目が赤く背中に黒い翼を生やして頭に黒い角をつけた男が立っていた。

すると、その男が迷宮ダンジョン攻略者を見るとボス部屋の扉が閉まりその男は長く鋭い爪を迷宮ダンジョン攻略者に向けた。

「また、人間ですか」

「何者だ!、貴様!」

「私はオール、魔人シーカーと呼ばれるあなたたち人間より上位の生物です…と言えばよいですか」

そして、魔人シーカーと人間との戦いが始まった。

その戦いは死と隣り合わせの戦いとなり沢山の迷宮ダンジョン攻略者が亡くなって行く中、世界に五人の迷宮ダンジョン攻略者が人知を超えた力を神より授かった。

その一人の日本人、当時十二歳の少年の迷宮ダンジョンランク準1級の柳川優雅は憤怒の神とその眷属の長に気に入られて魔人シーカーより上位の力を手に入れた。

憤怒の神ラスティア、その眷属の長ラステルに柳川優雅は魂の半分を二人に渡して神力という神に等しい力を手に入れ魔人シーカーを倒した。

そして、魔人シーカーを倒した五人の神と契約した人達を世界はランク特1級と各国の迷宮攻略部隊の大佐に就任させて迷宮王ダンジョンシードという称号を渡し世界の破滅を防いだ。

しかし、柳川優雅は魔人シーカーとの戦いで沢山の仲間や友を失い精神に深い傷を残して一時的に休養として迷宮攻略部隊から姿を消した。

そして、柳川優雅は中学生になり平凡に学校生活を過ごしていた。

学校には迷宮王ダンジョンシードということを学校長と担任だけに伝えて学校生活を送っていた。

「おっはー!、ゆうちゃーん!」

「おはよう…朱奈」

「相変わらず暗いねー!」

「ほら、朱奈!、ゆうくんが困ってるでしょ!」

「おぉ…萌歌」

「大丈夫?、ゆうくん」

「平気だよー…」

優雅は幼なじみの双子の姉の朱奈に朝から早々背中を叩かれてもう学校に行く気が無くなっていると、双子の妹の萌歌に朱奈のハイテンションを止めてもらい先に学校に歩いて向かった。

「はぁ…もうやだ……」

優雅は、疲れた表情を浮かべながら机に顔を伏せた。

すると、教室の中で迷宮ダンジョンの話しが上がっているのを聞いた優雅は耳にイヤホンをして迷宮ダンジョンの話しを遮断した。

「なあ、西の方に新しい迷宮ダンジョンが出たんだって!」

「今日行く?」

「でもランク8級以上だってー」

「まじでー」

優雅は、迷宮ダンジョンにトラウマがあるので、もう三年も迷宮ダンジョンに潜っていないが装備は家の地下に置いてありスキルは封印している。

「ねぇ、ゆうくん」

優雅は背中を萌歌につつかれてイヤホンを外して萌歌を見ると、萌歌は少し不安そうな表情をしていた。

「なんだ?」

「ゆうくんって迷宮ダンジョン入ったことある?」

「無いよ」

「だよね、ごめん」

「なんで?」

「行ったことあるなら誘おうかなーって」

「あぁ…ごめん」

「ゆうくんが謝る必要ないよ!」

そう言って萌歌はクラスメイトと迷宮ダンジョンに潜る約束して学校が終わると朱奈と一緒にすぐに帰って行った。

優雅は、萌歌に「どうして本当のことを言わなかったんだろ……」と優雅は少し後悔しながら一人で家に帰った。

そして、家に帰りテレビをつけるとクラスで噂になっていた迷宮ダンジョンが映っていた。

「なんだ?」

「ご覧ください!、いま迷宮ダンジョンに日本迷宮攻略部隊が入っていきました!、この迷宮ではいま沢山の行方不明者が出ています!、おっと!、いま迷宮ダンジョンから人が出てきました!、凄い怪我です!」

「嘘だ……ろ」

優雅は、迷宮ダンジョンに入って行方不明になっている人の一覧を見ると朱奈と萌歌を含めて十六人のクラスメイトが行方不明になっていた。

すると、優雅は三年前の記憶を思いだして身体を震えながらテレビを消した。

「朱奈と萌歌が亡くなる……どうしよ…う」

優雅は、こんな近寄り難くあまり話さない自分に接してくれた朱奈と萌歌が亡くなって迷宮ダンジョンから出てくると思った瞬間に優雅の身体の震えが止まった。

そして、優雅は決心した「朱奈と萌歌を助けに行く!」と優雅は決めて地下の部屋に全装備を閉まってある黒い腕輪ともう一つの赤い腕輪をつけ迷宮ダンジョンのランクを示すカードを持って朱奈と萌歌のいる迷宮ダンジョンに向かった。

「生きててくれ、朱奈!、萌歌!」

優雅は、スキルの封印を解放して早く走るスキルである疾走アクセルを使いながら西にある迷宮ダンジョンに向かった。



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