4 お客様

僕は、酔っぱらいをお誘いします。


簡単です。


僕のおうちに、ご招待です。


缶ビールをご馳走します。


おつまみに、枝豆です。



先にシャワー浴びるね


と言います。



酔っぱらいも


シャワーを浴びます。



バスルーム


そう見えますが、違います。


僕はハエ


僕のおうちは、泥のおうち。



バスルーム


その床が、崩れます。


泥のおうちだから。



悲鳴をあげて、落下する酔っぱらい。



ザブン───


水の中です。


シャツとズボンだけ


落としてあげてます。



僕はハエ


酔っぱらいが落ちたのは


僕の寝床。



酔っぱらいが、うめき声をあげています。


捻挫したんだ。



ちょっと、残念。


まあ、いいや。



全裸の酔っぱらいは、パニック。



だよね。


ここは、地の底


僕のおうち


僕の寝床。



小さな電球を、繋いでるので


少しだけ明るいです。



そして


人間の腰の高さまで、お水がたまってます。


僕には、美味しいお水です。


でも、人間には、ちょっと栄養がありすぎるかも。



酔っぱらいは、シャツとズボンを手に


ザブザブと足を引きずって


やっと水から出ました。


畳三枚くらいの、わずかな陸地です。

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