どういじめたい?
色無 光
第一話 燃えないゴミ
雨、ひたすら降り続ける雨が道路を染めていく。このまま雨に溶かされて流されて仕舞えば良いのに。電車は駄目だ、損害賠償が馬鹿にならない、だから今ここに座ってるのか。一面の景色は感情とは裏腹に雨と光の乱反射で煌めいている。きっと普通の人ならば大切な人とこんな景色を見て涙を流すのだろうと物思いに耽ってみる。熟考に熟考を重ねて導き出した結果がこれならば、私はとんだ無能なのだろうと言う客観的な自分の思考が決意をかき乱す。失う物は無く、得たい物も無いそんな人間はどの様にして生きていけば良いのか。ただただ無言の熟考が繰り広げられるが時間は一向に進まない。
時代はかなり変わったな。下の地面を見れば、人は長方形の機械を握り締めなければ生きていけない世界になった。ここからでもそれを
とうとう、その決意は思い腰を上げて元いた場所へ帰った様だ。彼はとても
ここの鉄塔はお気に入りで川の真ん中に立っていて雨の日にしか来ることが出来ない。もちろん、人に見つかってはいけないし、何より濡れても良い日にしか川には入れない、
『乾かそう、』
『あぁ、時間なら沢山あるゆっくり乾かせば良いさ!、お前に今できないことはねぇ!』
そう独り言を呟いて歩いていくのだった。
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