第946話 【番外編】アマビエさん、まだ空腹

 事務の子が感心しながら弁当をぱくついていた。これを食べ終わると、最初に買ってきたものは全て片付く。


「アマビエさん、お腹いっぱいになった?」

「否!」


 きっぱりと否定された。


「今度は自分で探しに行く」


 アマビエさんは高らかに宣言すると、歩き出した。歩くと同時に鼻をくんくんさせて、しきりに匂いをかいでいる。


「ぬおおお!!」


 にわかにその巨体が動く。そしてもう閉まりかけのラーメンの列に滑り込んだ。


「アマビエさん、そろそろラストオーダーですよ?」


 さっきより明らかに行列が短くなっているのは、諦めた人が多いからだろう。

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