第912話 【番外編】アマビエさん、久々に教える

「何個くらいあるんですか?」

「軽く二百は超えてるかな」


 それは、ちょっとした博物館になりそうな量だ。


「飾ったりしないんですか」


 僕が聞くと、社長の顔がにわかに曇る。


「昔は飾ってたんだけど、無粋な人間が多くてね」


 そんな子供みたいなことを、くだらない、もっと高尚な趣味の集いがある──わざわざそういうことを言う意地の悪い連中がいたのだと、アマビエさんが社長の代わりに教えてくれた。


「子供向きだからって、どうして大人の趣味に劣る扱いをされなきゃならないんだろうねえ。作り手の情熱や思いに、劣ったところなんてないのに」

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