第904話 【番外編】アマビエさん、呆れられる

 アマビコさんが呆れていたが、結果的に暗くなっていた気分が明るくなったのは良かった。


 僕たちは園の上の方に進む。パンダつながりか、熊類の檻が並んでいた。さすがにここは檻ではなく、厚手のガラスの向こうにのしのし熊が歩いている。


「間近で見ると大きいな」

「走り出したら、一流の陸上選手と同じ速度っていうから怖いよね」

「うわあ……」


 絶対に山で会いたくない。死んだふりで逃げ切れるものなのだろうか。


「もし出くわしたら、お前を置いて逃げるからな」

「脂肪がついてるお前の方が美味いに決まってるだろうが。皆のために犠牲になれ」

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