第897話 【番外編】アマビエさん、小動物に会う

 僕たちはベンチを立ち、そのまま奥に進んだ。すると芝生あつらえの小さな丘があって、そこには柵がしてある。


「あれも展示なのかな?」

「中に入って、動物に触れるみたいですよ」


 檻の中には、ふわふわした羊や兎が動き回っている。パートさんの目が輝き始めた。


「かわいいですねえ……」

「行ってみますか?」


 彼は迷うことなくうなずき、子供に交じって兎の背を撫でながらニコニコしてい

た。……今度はスケッチもとらず、夢中な様子である。


「やっぱり一番好きなのは兎なのかな?」


 なんにせよ、楽しんでいる様子なのは良いことだ。

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