第881話 【番外編】アマビエさん、一喝する

「つべこべ言うな、ヤクザのくせに」


 アマビエさんは僕に有無を言わせず、立ち去ってしまった。


「ほんと強引なんだから……」

「大事な用があったのなら、断ってもいいのよ?」

「まあ、用事はないんですけど」


 それを聞いて、薬局長が笑い出した。


「アマビエさんは君が気に入ってるからね。素直には言えないけど、一緒に来て欲しかったんじゃないかな」

「そうですかねえ……」


 僕は苦笑したが、それを聞いて悪い気分ではなかった。



 日曜日の朝、あくびをこらえながら動物園の前まで赴くと、すでに券売機の前が人でごった返していた。

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