第875話 【番外編】アマビエさん、やめた

「公共施設とかはどうですか? 美術館とか、ゆっくり見てみると意外と楽しかったりしますよ」

「美術かあ……」

「アマビエさんも絵に描かれるのは好きみたいですし、だったら眺める方にも興味を示すかもしれないですよ」

「その案はいいね、ありがとう」


 社長は絵文字まで使って感謝のメッセージを送ってくれた。僕はこれでこのやり取りは終わった、と思っていたのだが。


 翌日やって来たアマビエさんは、開口一番こう言い放った。


「美術館というのは、やめた」

「……はあ」


 僕以外の面子が全く話の内容を理解していなかったので、先に説明する。

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