　この妖怪、放っておいたら糖尿病になりそうだしな。

「温度管理表はどこですか？」

　パートさんが聞く。

「そこの壁に貼ってありますよ。管理表と言うより、カレンダーに書き込んでるだけですが」

　薬局長が説明する。取り残されたアマビエさんが、僕の白衣の裾を引いてきた。

「なんで温度を記録してるんだ？」

「医薬品の管理に、温度は重要なんですよ。熱すぎたり寒すぎたりすると、薬の性質が変わってしまうことがあるので。温度変動がないか、こうやって毎日記録するのは義務なんです」

【薬局あるある】高温・低温で変質した医薬品は使えない。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい