第852話 アマビエさん、力ずく

 つっこみは入れられるのだが、アマビエさんは僕をひきずりながら階段を昇っている。おのれ、人外のパワーを無駄遣いしおってからに。


「到着である」

「ああっ、結局運ばれてしまった」


 ショックを受ける僕を尻目に、アマビエさんはのしのしと室内を見渡している。


 手前に八畳ほどの休憩スペース、その向こうにみんなのロッカーがあった。最奥はひとつ壁を挟んで倉庫になっていて、古い処方箋や患者情報が保管してある。倉庫は鍵がないと入れない部屋だ。



【薬局あるある】処方箋は年単位で保存の義務があるため、倉庫にストックしてある。


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