第823話 【番外編】アマビエさん、見渡す

 女性陣は甘いたこ焼きの方が気に入ったみたいで、アマビエさんはちゃっかり追加のたこ焼きを得ていた。


「定番をあげちゃうなんて、そんなに美味しいの?」


 僕はスイーツたこ焼き二つを食べてみた。確かにさっきよりチョコの甘味でかなりお菓子として成立されてきてはいるが……たこ焼きの部分がやっぱり余計だ。僕は普通の方がいい。


「舌が古いんです」

「保守的なのは悪いことじゃないわよ」


 クタベさんがなぐさめてくれた。

「意地汚いよりよっぽどマシ」


 アマビエさんはわずかに残ったたこ焼きのかすを求めて、卓の上を見渡していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る