第789話 【番外編】アマビエさん、冷蔵庫開ける?

 冷蔵庫を開けてみると、そこにヨゲンノトリさんが容赦なく手をつっこむ。


「このマスタードとオイスターソースは、賞味期限が切れてますね」

「あー、そんなのもありましたか」


 昔、ちょっと自炊を頑張ろうとしたときにそろえたものだ。もちろんその時しか使わず、順調に冷蔵庫の肥やしと化した。


「表面にカビが生えてますから、捨ててしまいましょう」


 顔を赤くする僕の横で、ヨゲンノトリさんは淡々と作業を始める。


「全く。一人暮らしのくせに、でかいサイズ買うからだよ」


 黒い頭が悪態をついた。


「でも、スーパーだとこれが一番小さいんですよ」

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