「一応、着いたら電話するよう言ってはあります」

　開局日ではないので、表のシャッターは閉まっている。連絡があれば勝手口を開ければよかろう、ということで僕たちは調剤室に入った。

「じゃ、これが棚卸し表」

　エクセルで作った表には、薬の名前と理論上の在庫数がびっしり記載されている。

「この数と合ってればオッケーで、違ってたらダメってことですよね」

　事務の子が紙面をにらみながら言う。

「そう。廃棄とかの入力漏れで数錠違う、とかはよくあるけど」

【薬局あるある】

　棚卸表を見る度、「こんなに在庫あったのか……」とびっくりする。

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