「薬局長、大丈夫ですか……？」

　まだ鼻水をかみながら、薬局長がパソコンに向かっている。気休め程度だが、症状緩和に効果があるかもしれない緑茶を差し出した。

「ああ、ありがとう。これだけはやっとかないといけないんでね……」

　そう言う薬局長の目の前には、エクセルで作った細かい表がある。しかも一頁だけではなく、何枚にもわたって。

「今年も棚卸しの季節が来ましたねえ……」

「早いもんだよ。半年前にやったとは思えない」

「やり方はどうします？　ちびちびやりますか？」

【薬局あるある】

　棚卸しの有無で季節の移り変わりを感じる。

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