第729話 アマビエさん、ミツバチになる
アマビエさんは口から黄色い花粉団子をぺっと出した。
「適当なところに捨ててくる。ま、気休めだがちょっとでもな」
「アマビエさん……」
相変わらず、キメるところはキメる妖怪だ。僕は感激した。
「……でもそれはそれとして、その団子絶対落とさないでくださいね」
「ふん。アマビエをなめるな」
アマビエさんはそう言って、団子を抱えながら帰っていった。
「太ったミツバチみたいね」
クタベさんがその風貌を見て、的確な評を下した。
【薬局あるある】
立地にもよるが、たまに大きな虫が入ってくる。事務さんが駆除してくれることが多い。
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