第702話 アマビエさん、約束を守る

「来たぞ、ヤクザ。花粉症について教えてくれ」

「相変わらずよく覚えてますねえ」


 そう言ったアマビエさんの口元には、狐色のパン粉のカスがついている。カレーパン屋に寄ってから来たようだ。クタベさんがそれを見て舌打ちした。


「嫌な季節が近付いてきたよね。毎年憂鬱だよ」


 薬局長が錠剤を手にしている。その様子を見たアマビエさんが気色ばんだ。


「薬局長が薬を!? どこか悪いのか」

「違うよ、花粉症が悪くならないように飲むんだ。だから、今は大丈夫だよ」




【薬局あるある】

 二月くらいから、徐々に花粉症の処方が増え始める。

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