第683話 【番外編】アマビエさん、魚慣れしている

「魚はよく食べるから慣れているのだ」


 アマビエさんは贅沢を言う。横からクタベさんにデコピンされていた。


「まあまあ。でも、出汁が味わえる状態では食べてないよね?」


 器用に鯛から骨をとりながら、薬局長が言う。


「それはそうだな……何事も挑戦というし」


 アマビエさんが気を取り直す。その時には薬局長は骨取りを終えていて、せっせと飯と鯛の身を混ぜ込んでいた。


「ほら、いい匂い。最初の味見はアマビエさんに任せよう」

「任された」


 一番が好きなアマビエさんが食いつく。控えめに一口、ご飯を口に運んだ。


「フオ───!」


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