第635話 【番外編】アマビエさん、謙虚になる

「いや。知恵を借りに来た」


 アマビエさんには珍しく謙虚な姿勢である。


「ご飯のお供、というやつは種々あるらしいな」

「まあ、そうですね。アマビエさんがさっき歌ってた、海苔・鮭・たらこなんかはその典型です」

「我はそのくらいしか知らぬ。何か他にいいものがあったら知りたい」


 僕は顎に手を当てたが、ぱっと思いつくのはその三つくらいだ。


「昆布とか、鰹節を醤油であえたのとか……」


 考えてなんとか絞り出した。我ながら、想像力のないラインナップだと思う。美味しいけど。


「そうか。それもあったな。でも食べたことある」

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