第615話 アマビエさん、息絶え絶え

「そりゃ、悪いことしちゃったなあ。僕が呼んだのに、いないなんて」


 薬局長は頭をかいた。


「新しい品目、あそこで買うことにしたからそれで許してもらうか。クタベさん、戻ってこられたら呼んで」

「わかりました」

「それにしても……最近、あそこの卸でばっかり買ってますよね。すごく安いとか、何か理由でもあるんですか?」


 よく卸から商品を受け取ってくれる事務の子が聞いた。


「うーん、飛び抜けて安くはないよ。他と同じくらいかな」

「では何か他の理由があると?」



【薬局あるある】

 薬局によって、よく使う卸はだいたい決まっている。

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