第604話 アマビエさん、嫉妬する
「そう言えば、聞こうと思っていたのだが」
ようやく喉が治ったアマビエさんが、カウンターに頬杖をつきながら言った。
「オロシ、とはなんだ?」
「どこで聞いたんですか、そんな単語」
「この前、薬局長と親しげに話していた」
アマビエさんの目に怒りの炎が燃えている。嫉妬してるな、これは。
「簡単に言うと、メーカーが作った薬を管理して、薬局に届けてくれる会社のことですよ」
薬局長が苦笑いしながら言った。
「ほう。ならばびじねすでの付き合いなのだな?」
【薬局あるある】
普段はメーカーさんより、卸さんと会うことの方が多い。
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