第598話 アマビエさん、カレーパンに並ぶ

 犬や猫じゃないんだから、と苦言を呈しながら、僕は薬局の中に入った。


 それからしばらく開店の手伝いをして、忙しくしていると、アマビコさんが処方箋を持ってきた。


「あれ、薬が一つなくなってる……」


 それもウイルスの治療薬で、在庫が薄かった薬だ。そのことを聞いてみると、アマビコさんは何もなげにうなずく。


「ああ、それでいいんだ」

「喉は治ったんですか?」

「幸いな。薬も十分効いたし、常連さんにいいのど飴を教えてもらった。しばらくは大丈夫だよ」



【薬局あるある】

 常連さんの体調が良くなっていくのを見るのは嬉しいもの。

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