第566話 アマビエさん、渋面を作る

 僕は素早く抗議した。


「それに、ワクチンを無駄にしないための大事な手順なんです」


 ワクチンは水で薄めると、必ず一本から六人分できる。それに溶かしてしまうと、数時間しか保存がきかない。明日の接種で使おう、なんてことはできないわけだ。


「つまり、一本の瓶から一人分しか使わなければ……」

「残りは全部ゴミになっちゃいます」

「それはもったいないな」


 ルーズなアマビエさんですら顔をしかめた。アマビコさんやクタベさんだったら、大騒ぎになりそうだ。



【薬局あるある】

 と言っても、劣化した物を使うわけにはいかないので捨てている……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る