第552話 アマビエさん、まだ現れず

「あら、お久しぶりね」

「いつもお世話になってます。よろしくお願いします」


 会場の看護師をまとめるリーダーさんが声をかけてくる。他の看護師はしょっちゅう入れ替わるが、この人はほとんど会場に詰めていた。だから、僕の顔も覚えてくれている。


「今日は薬剤師さん、三人体制なのね。なにかあったの?」

「いえ、僕は何も聞いてませんけど……」


 薬剤師界の上役が様子を見に来たのか。それとも、予約が特別多かったのか。僕は内心ひやひやしながら、薬剤調整室に入った。



【薬局あるある】

 ワクチンの急なシフト変更があると、ドキドキする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る