第521話 アマビエさん、ドリル

「だから自宅待機になってて、出歩けないんです。薬局から薬を持っていってあげなきゃ、飲めないでしょう?」

「……一応、納得した」


 アマビエさんは、名残惜しそうに薬局長から離れた。


「みんなのところに、アマビエさんがいればいいんですけどね」

「一家に一アマビエ」

「想像してみるとすごくイヤです」


 アマビエさんがドリル回転しながらつついてきた。


「ちょっとメールチェックしてきてもいいかな?」

「行ってらっしゃい。私も小銭出してこないと」



【薬局あるある】

 患者さんは外に出られないため、家へのお届け業務も重要な仕事。

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