第516話 アマビエさん、カシンカシン

「えーっと。ワクチンを投与することで、わざと病気にかかったような状態を作り出すんです」

「悪の気配がするのは我だけか?」


 アマビエさんがカウンターのハサミを手にとって、カシンカシンやり始めた。


「危ないのでやめてください。悪いことじゃないんです。実際の病気にかかるより軽く済むよう、ちゃんと計算されてるんですから」


 カシンカシンが止まらない。


「そうですね……言うならば、味方の腕を上げるために、アマビエさんがあえて悪の仮面を被って潜入するようなものです」



【薬局あるある】

 結構色々なところにハサミがある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る