第502話 【番外編】アマビエさん、命じる

『希望したあげく、病院をたらい回しにされるケースもあるようですねえ』

『あえて言いますが、ふがいないと言わざるを得ません。その上、経済的補助も不十分で……』


「消せ」

「消せ」


 会話はまだ続いている。しかし、普段は温厚な薬局長がアマビエさんと同じ口調で言い放った。


「はい」


 センセイが画面を切り替え、ゲーム画面に戻った。薬局長がうなだれる。


「……ごめん」


 しゅんと肩を落とす薬局長に向かって、僕と事務の子は声をかける。


「みんな、気持ちは分かってますから大丈夫ですよ」

「そうですよ。現場も知らずに勝手なことばっかり言って」

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