第492話 【番外編】アマビエさん、嗅覚が鋭い

「まさか」


 アマビエさんが顔をしかめる。妹が何をしようとしているか、分かった様子だ。


「あとは待つだけ~ ふふふん~」


 妹は鼻歌を歌っている。それにつられたように、茂みから小さな生き物がやってきた。


「はい、ゲットお!!」


 網で捕らえられた生き物は、自分も果実のように赤い羽根をもつムレルビーアリだった。甘い物を与えると巣を作り、お礼にルビーをくれる希少種である。


「な、なんですかそれ」


 事務の子に向かって、妹は不敵に微笑んでみせた。


「ふふふ、伊達にシリーズ全部遊んでませんよ……それはセンセイも同じですけど」

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