第468話 【番外編】アマビエさん、裏技

「……なに、それ?」


 アマビエさんは、薬指と小指を折り曲げ、あとの指を伸ばした形を作っていた。クタベさんが顔をしかめる。


「そんな型ないわよ」

「無敵である」

「どこで知ったんですか、そんな小学生の裏技」

「フフフ」

「無効よ無効! やり直し!」


 お母さん(クタベさん)の鶴の一声で仕切り直しとなった。


「じゃんけん、ほい」


 今度は綺麗に分かれた。僕・薬局長・クタベさんがグー、妹・事務の子・アマビエさんがチョキ。


「はい、決まり。負けた人は見学ね」

「ぐおおおおお」


 破れた上に、薬局長と別組みになったアマビエさんがうめく。

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