第428話 【番外編】アマビエさん、寝床を欲する

「殺風景だな」


 それは妖精も承知していて、次の指示がとぶ。


『うーん、なにか物足りないねえ。そうだ、机を作ってみよう!』


 アマビエさんが首をかしげた。


「我は寝床が欲しいのだが」

「それはまあ、床に寝ればいいんじゃないですか?」

「固い! 疲れる! 起きたときが大変!」


 抗議に実感がこもっている。何回かやったことがあるな、これ。


「寝床お」

「はいはい、妖精さんのいうことを聞いて下さい。みんな困りますから」


 アマビエさんにチュートリアルをやらせないと、次が進まないのだ。薬局長に順番を、と釘をさして今後の文句を封じる。


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