第414話 【番外編】アマビエさん、指をくわえる

「こんなサービスまであるんだねえ、さすがお金持ち」

「遠慮なく頼んでいいよー。親がカードで払うし、人を呼ぶことは言ってあるから」


 センセイはそう言うが、あまり不躾な真似はできない。こちらはお邪魔している身である。


「うう」


 大食いの事務の子は、思いの板挟みになってじりじりしている。


「分かりました。私が栄養バランス、彩りともに完璧な献立を組み立ててさしあげましょう」


 人間たちが気を遣う中、クタベさんが堂々と手をあげた。メニューを真剣に見つめる。


「この酢豚を」


 アマビエさんが背後から指示を出しているが、無視されていた。

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