「何やってるのよ。恥ずかしいからやめてちょうだい、ただでさえ不審な外見なんだから」

　当然、クタベさんが冷静に切って捨てる。

「やめない。貴様に勝つまでは」

「なんの勝負よ」

「はいはい、アマビエさん。一回撮ったら離れましょうね」

　事務の子が間に入ってくれて、その場は納まる……かに見えたのだが。

「ちょっと、君たち」

　身長二メートルはあろうかという巨漢が、のしのしと近づいていた。体にしっかり筋肉がついており、ワイシャツのボタンがはちきれそうである。非常に失礼だが僕は瞬間的に、ゴリラの映像を思い浮かべてしまった。

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