第406話 【番外編】アマビエさん、たたえる

「それは忙しいよねー」

「今は単なる夜勤ですけど、感染患者を受け入れたら家に帰ってこなくなるかもしれませんから……」

「あら、寂しいこと」

「いえいえ。私にとっては天国です。実家で暮らしながら、一人暮らしの気分。これこそいいとこ取りじゃないですか?」


 センセイは明るく笑う。心配していないはずはないのだが、こちらに負担をかけないためだろう。僕たちはそれに乗り、会話の流れを変えた。


 そのままだらだら話しながら、センセイの家までやってくる。数十階はあるタワーマンションで、ロビーに入るにも暗証番号が必要という高級仕様だ。

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