第322話 【番外編】アマビエさん、卵を使う
たれのかかった肉をつまみ上げ、溶き卵にくぐらせる。黄金の液体と共に、肉はアマビエさんの口の中に消えていった。
「ふふぉおおおん」
「擬音じゃなくて、言葉で伝えてくださいよ」
「ふん」
アマビエさんは、口を開くのも勿体ないと言いたげに、鼻息だけを漏らした。
「君たちも食べなよ。この後煮込んじゃうから、焼いたのは今だけしかないよ」
「いただきまああああす!!」
僕たちは社長の好意に甘え、焼いた肉を口内につめこんだ。とろけた脂と牛肉の旨み、割り下の塩気とまろやかな卵が同時に味蕾を刺激する。
「うま」
「うま」
「うま」
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