第290話 【番外編】アマビエさん、心配される

「人間にもできる方法でお願いします」


 僕たちが懇願しても、アマビエさんは首をかしげるだけだ。どうしようかと思っていると、またいいタイミングで電話が鳴る。


「困ってる?」

「困ってます」


 素直に社長に助けを求めた。


「へえ、アマビエ電車乗ったことないのか。面白いから、最寄り駅まで来なよ。駅に車つけとくから」


 そう言って社長が口にした駅は、ここから三十分くらい離れたところだった。流石売れっ子、有名な高級住宅街である。


「駅がわかりました。そこまで電車で行きましょう」


 僕が提案すると、アマビエさんが「ヒイッ」と声をあげた。

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