第278話 アマビエさん、興味のあるところだけ復活

「公務員の保険も社保のうちに入りますよう」

「国に雇用されてるわけだからな」

「あと、珍しいところでは船員さんの保険もそうですね」


 船員、と聞いてアマビエさんがぴくりと動いた。


「船……」

「なにかいい思い出でもありますか?」

「我を『うわ、気持ち悪い』と言った見張りの船をユサユサしてやった過去が蘇る」

「ただ大人げないだけの話ですか」


 ちょっと期待した僕が愚かだった。


「最後に、後期高齢者医療制度ですね」

「七十五歳以上の人が入るやつだ」


 流石にそれくらいは、僕も知っている。


【薬局あるある】思い出は、美しいとは限らない。

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