第262話 アマビエさん、元気になる

「しかし、日本に入ったお前は『クタベ』だ。亜種であり、圧倒的な神通力はないのでは?」

「うっ」


 クタベさんが黙った。確かに、そんな力があるならアマビエさんに便乗する必要はない。


「ずいぶん間抜けな姿で伝わっているしな」

「……え?」

「ネットで調べてみろ」

「やめろ!!」


 必死にすがろうとしたクタベさんの背中に、アマビエさんがとりついた。絶対に離すものか、という執念でしつこく食らいつく。


「今だ……早くやれ!」


 その迫力に押されて、僕たちはブラウザを起動させる。


【薬局あるある】重大な情報も、今やネットですぐ見られる。

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