第260話 アマビエさん、便乗される

「……こいつが活動し始めたと言うから」

「はあ」

「私もいけるかな、と思いました」


 アマビコさんは対抗心からだが、クタベさんはブームにのっかろうとしただけのようだ。その割にアマビエさんには嫌われているみたいだが。


「アイドルは一人でいい」

「わりと本気で危機感抱いてますね」


 飄々としたアマビエさんにしては、珍しい。


「仕方無い。こいつの本性は、『白沢』と呼ばれる神獣だからな」

「はくたく?」


 無知な僕らに、アマビコさんはため息をついた。


「もともとは、中国の神話に出てくる生き物だ」


【薬局あるある】新人さんはちやほやされる。

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