第232話 アマビエさん、根に持つ

 床に額をすりつけんばかりの彼に、アマビエさんは冷たい視線を向ける。


「まあまあ……」


 薬局長のとりなしでやっと口を開いたが、


「百年の不作にまけてやろう」


 滅茶苦茶根に持っていた。


「二階に行きましょう」


 薬局長が社員を避難させる。残された僕は、ため息をついた。


「教育が悪い」

「すみませんねえ」


 アマビエさんが憤慨している。僕がのど飴を与えている間に、怒らせた社員はそそくさと帰っていった。


「終わったよ。後は、文章を考えないとね」


 降りてきた薬局長が伸びをした。


【薬局あるある】求人誌では、写真だけでなく文言も大事。

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