第191話 【番外編】アマビエさん、埋もれる

「夏だな」

「病気が治まったらですよ」


 そう言うと、アマビエさんの目元に力がこもった。


「うむ。病魔退散・豊作祈願」


 やる気になってくれたようだから、大丈夫だろう。僕も自分にできることをしなければ。


「他の湯にも入って、精をつけるぞ」

「はいはい」


 アマビエさんは他の湯船に入り……ずぶずぶと頭まで沈んでいった。片手を上げるものだから、某有名映画を思い出す。


「アマビエさん……?」


 どうやら、他の浴槽より深くできているらしい。目をかっと見開きながら沈んでいるので怖いが、もともと海の生き物だから心配はいらないだろう。


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