第187話 【番外編】アマビエさん、見つけてしまった

「あああー」

「あああー」


 二人揃って、低い声を漏らす。シンクロしたのが、妙におかしかった。


「ん? 外から人が帰ってきたぞ。裸だ」


 前を見ていたアマビエさんが、目を見開く。


「露天があるんじゃないですか? 大きな施設だし」

「露天?」

「外にあるお風呂ですよ。今日はそんなに寒くないし、晴れてるから気持ちよさそうですね」

「行きたい」


 そう言うと思った。


「じゃ、ついてきてください」


 人が現れたあたりを探す。ガラス戸を開けると、まず長い足湯があった。


「足元に石があるぞ」


 確かに右側にだけ、つるつるした石が飛び飛びに置かれている。

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